ヒストリエ5巻のあらすじや感想・レビュー【エウメネス運命の出会い】

 

ヒストリエ5巻の感想・名シーン ※以降ネタバレあり

ヒストリエ5巻からは4巻まで続いたエウメネスの長い回想が終わり、本筋が始まります。

故郷で旧友のトルミデスや兄ヒエロニュモス、仇敵ゲラダスやヘカタイオスに再会します。

そして、1巻登場した怪しい商人アンティゴノスがなんとマケドニア王フィリッポスであることが判明します。


引用:ヒストリエKindle版5巻より

実は5巻表紙でネタバレしていたりもします。

 
引用:ヒストリエKindle版5巻より

 

忘れがちになりますが、ヒストリエは「アレクサンドロス大王(アレキサンダー大王)に仕えた書記官エウメネス」の物語です。

ここでようやく本筋が始まったと考えて良いですね。

 

 

また、素晴らしいシーンとしてエウメネスが父母の墓参りをするシーンがあります。

息子として育てていたエウメネスが奴隷として売られていったにも関わらず何もしなかった母。
長年家族として過ごしてきた人たちに向け「騙してきた」とだけ断じたエウメネス。
弟を厄介者としてしか扱わず蔑んできた兄。
全て後味の悪さ、ヘイトをたった7頁で解消してくれます。

名シーンを見る ※強烈なネタバレ

岩明氏はこういう魅せ方が本当に上手いと感心します。

 

・人はそれぞれ…スッキリしないものをいくつか抱えたまま生きてる…それが普通なんだと思う。心に傷を負ったままでも楽しく暮らすことはできるさ【エウメネス】

引用:ヒストリエKindle版5巻より

親の敵に情けをもらい生きてきた兄ヒエロニュモスにかけた言葉も素晴らしい。もやもやして気持ちがどうしようもない人全てに聞かせてあげたい言葉です。

 

マケドニア王の従者として働き始めてから、王の息子におもちゃを作って欲しいと言われ作ったシーンも印象的です。



引用:ヒストリエKindle版5巻より

母親が感謝するシーンですが、こんな小さなコマでさらっと感動させられるのもすごいです。

そしてマケドニア王の従者として働き始めた巻末では怪しい美形の青年とすれ違います。
この時点で正体は明かされませんが、もう誰だかわかりますよね。




引用:ヒストリエKindle版5巻より

とうとう本筋に入ったヒストリエ。今後の展開も気になります。

 

 

 

■Kindle版ヒストリエ5

 

■コミック版ヒストリエ5巻
※上記Kindle版のリンク先からコミック版を選択できます。

 

ヒストリエ5巻のあらすじ

第三十九話 故郷カルディア・4

故郷カルディアの廃墟となった我が家で回想していたエウメネスは旧友「トルミデス」と再開する。
泊まるところがないなら自分の家に泊まれと提案され好意に甘えることにするエウメネス。
一度トルミデスと別れ再度廃墟を探索していると当時飼っていた猫のサテュラ(もしくはその子孫)と兄ヒエロニュモスと再開する。

ヒエロニュモスは父を暗殺した張本人である「ヘカタイオス」の世話になっており(兄はこの事実を知らない)名家の跡継ぎを追われたことが推測できる。
またヒエロニュモスから母が亡くなったことも知らされる。
酒の飲み過ぎで体を壊したという。

ヒエロニュモスに案内され、父と母の墓参りを果たすエウメネス。
母の墓石にはエウメネスの肖像も刻まれており奴隷として売られてしまったエウメネスに対し後悔と懺悔の気持ち、家族としての情愛が残っていたことを理解する。
エウメネスは奴隷として売られてしまったが結果として不幸にはならなかったこと、また自分を育ててくれた感謝の気持ちを素直に伝える。

幼少のころには仲が良いは言えなかったヒエロニュモスとも雪解けする。

 

第四十話 故郷カルディア・5

冒頭、当時従者(エウメネスが奴隷に身を窶してからは立場が逆)だったゲラダスとの会話の回想。
嫌味を言いながらもエウメネスの才能を評価するような発言をするゲラダスとそれを意にも介さないエウメネスの様子。
回想は続き同じ奴隷のカノンとの会話でエウメネスは「将来アテネに行くことが夢だ」と語る。

回想が終わり、ヒエロニュモスから奴隷のカロンは貯めていた賃金で自分自身を買い上げ街から出ていき自由の見になっていることを知る。
カロンに会えなかった寂しさと称賛との気持ちが伺える。

ヒエロニュモスと別れるが誰かにつけられていることに気付き上手いことそれを巻く。
逆に気付かれないように尾行者を確認すると旧敵ゲラダスであった。
久しぶりにみるゲラダスの頭髪は薄くり年齢以上に老けている印象もあった。

 

 

第四十一話 故郷カルディア・6

エウメネスはトルミデスの家に宿泊することとなり旧友たちの現在を知る。
オルビオスは体を壊し亡くなっていた。
ニコゲネスは体を鍛えに鍛えオリンピア競技会のカルディア代表に。
ペリアラは商品と結婚していた。

トルミデスには特に変わりなくエウメネスの波乱万丈な経緯を離す内に夜はふけていった。

翌日、カルディアで済ましたかった用事が終わったエウメネスはこの先どうするか考えているとゲラダスと再会してしまう。

幼少期にヘカタイオスと結託しエウメネスを貶めたゲラダスは「俺に仕返しに来たのか?」と喧嘩腰。

ノラリクラリと躱そうとするエウメネスだったが突如斬りかかってきたゲラダスから身を護る為に反対に斬ってしまう。

本心からゲラダスに仕返しをしたいなど考えておらず、また直接人を斬ったことが初めての経験であるエウメネスは不快な表情を見せる。

自身の境遇やエウメネスに対し行った仕打ち、仕返しに対する恐れ。ゲラダスがどのような感情により斬りかかって来たかはわからない。

「お前には子供のころ遊んでもらったこともあったのにな」
エウメネスの言葉を聞き遂げゲラダスは息絶える。

思わぬことで人殺しになってしまったエウメネスはトルミデスに迷惑はかけられないと急いで別れを告げ街をでる方法を画策する。
そこで「自分の元で働かないか」と言ってくれた商人アンティゴノスの連れ「メナンドロス」に再会する。

翌日には街をでるというメナンドロス。
一緒に行動すれば警戒されずに街をでられるかもしれないと考えるが、アンティゴノス、メナンドロス一行はゲラダスと繋がりがあるヘカタイオスの家に泊まっているという。
危険かとも考えたが広い屋敷でばれない可能性とひとりでよそ者が街をうろつく怪しさを天秤にかけヘカタイオス家に一緒に向かう決断をする。

 

第四十二話 故郷カルディア・7

メナンドロスについてヘカタイオスに着いたエウメネスだが、すでに屋敷内にはゲラダスが殺されたこと報が入っており慌ただしい雰囲気。
門をくぐると同時にヘカタイオスが家中に支持をだしており、素知らぬ顔で潜り込もうとしていたエウメネスはいきなり見つかってしまった。

エウメネスであることを否定しゲラダス殺害に関してもしらを切るが、ヘカタイオスは問答無用で家中をけしかける。
剣の腕もたつエウメネスは家中では抑えきれない。途中から様子を観戦してた商人アンティゴノスはメナンドロスに制圧を指示する。
ただし、殺害せず怪我もさせずという厳しい条件もつけた。

エウメネスとメナンドロスの1対1の形で剣を交えるが、腕はメナンドロスが数段上。
場をコントロールし、争っている形をとりながら門に誘導しエウメネスを屋敷外に出すことに成功する。
言付けをしようとしているのかエウメネスを追うが足の速さはエウメネスが上で「良いな」と伝えるのが精一杯。(以前門前で落ち合う約束の確認と思える)

無事逃げおおせたエウメネスは父母の墓石の裏で夜を明かす。その姿を兄ヒエロニュモスが目撃していた。

一方、商人アンティゴノスは「エウメネスは来る」と断言する。

第四十三話 キュクロプス

朝になり門にたどり着くエウメネス。
衛兵が騒いでいるようだが、エウメネスを探している様子とは違うようなので待ち合わせ時間まで待つことに。

エウメネスを奴隷として買い上げた「ゼラルコス」の顕彰碑が立っている(その条件でエウメネス購入に大金を払った)ことにウケているエウメネスの元に兄ヒエロニュモスが話しかけてくる。
ゲラダスを殺害したのがエウメネスだと承知したうえで、会話の中でゲラダスやヘカタイオスが共謀して父ヒエロニュモスを殺害したことを確信する兄ヒエロニュモス。
そんな敵の世話になっていることに悲観するが、エウメネスは「仕方ないことだ。それで良い」と声をかける。
「エウメネス…ぼくも」と連れていって欲しいことを告げようとした瞬間に商人アンティゴノスが現れる。

アンティゴノスの誘いに乗る前に「どうやって軍に囲まれた表に出るつもりなのか」という問いかけにアンティゴノスが”片手を上げただけ”で門が開く。

門をでての種明かしの前に「僕も連れて行ってくれ」とハッキリ声にする兄ヒエロニュモス。
だが、エウメネスはきっと自分と一緒に動けば戦に明け暮れることになる。自分は意外とそれが嫌いでないことに気づいた。君は無理してでるべきではない。と説き伏せる。

引用:ヒストリエKindle版5巻より

 

門を出ると大軍の前に無造作に歩いていくアンティゴノス。
軍を率いていた指揮官がアンティゴノスに礼を示す。
アンティゴノスの正体はマケドニア王「フィリッポス」であった。

こうしてカルディアはマケドニアの軍門に下り。エウメネスはマケドニア王に仕えることとなった。

 

第四十四話 深酒の王

紀元前337年
冒頭からマケドニアのフィリッポス王と部下の対話のような形で話が進む。
すでにエウメネスが書記官として働いていて、王が戦の能力を高く買っている様子が伺える。
王はエウメネスのことを自ら拾ってきた「左腕」だと話す。
そして話はさらに6年前機減算343年に戻る。

マケドニア軍の戦上手や特徴を秘書官が書き溜めたナレーション形式で紹介。

そして18か19歳(出生日がわからないので不明)になったエウメネスはマケドニア首都のベラについていた。

 

 

第四十五話 アッタロスの家

マケドニアについたエウメネスは貴族アッタロスの家に居候する運びとなっていた。

アッタロスは戦で子供をなくしたものの国の要将軍パルメニオンの娘を娶っているなど、いろいろと巻き込まれそうな要素が揃っている。
実は王からの命令で「典型的なマケドニアの暮らし」を知るための居候であった。

夜には深酒中のアッタロスの飲みに無理やりつきあわされ二日酔いになり「これが典型的ならマケドニアはろくでもない」と毒づいていると部屋の外でのやり取りが聞こえる。

普段は動くはずの噴水の仕掛けが動かないことに女性が家人に絡んでいたのだ。
そこにエウメネスが首をつっこみ、複雑な噴水の動力の仕組みを理解し応急で動かすことに成功した。

女性はアッタロスの姪であった。
アッタロスは姪の訪問をいたく喜ぶがアッタロスの嫁とは仲良くやっているように見え微妙な雰囲気も醸し出す。

夜に反りの合わない客人がくるので姪にも同席して欲しいと頼む。
その流れのままエウメネスも晩餐会に参加させようと本人がいないところで決まったしまう。

 

第四十六話 大将軍の息子

アッタロス家にたずねてきた客人3名。
アッタロスの妻の弟フィロータスとおつきのポリュダマス、ポリュベルコン。

フィロータスは爽やかな印象をもつ青年だが、アッタロスや姪のエウリュディケは反りが合わない様子を伺わせる。

彼はエウメネスに興味を示すが、まだマケドニアについて間もなく文化の違いにもついていけていないエウメネスは話を合わせる様子もなくいつの通りに振る舞う。

終始話が噛み合わずフィロータスは帰宅。
アッタロスとエウリュディケはその様子を思い出し爆笑する。

笑っている理由もフィロータスの話も理解できないエウメネスは「文化が違う」とお決まりのセリフ。

後日、エウメネスはフィリッポス王に呼び出されていた。

 

第四十七話 進学と就職

エウメネスを呼び出したフィリッポス王の要件は「エウメネスのマケドニアでの身の振り方」についてだった。

幹部候補生としてミエザという学校に入学するか軍事書記官の管理官の見習いとして就職するかという選ばせてもらえるようす。
ミエザではアリストテレスが講師として呼ばれていることには興味を示すが幹部候補生というのが気になる様子。

就職の場合、平時には王立図書館の管理運営を任さられると聞き本の虫であるエウメネスは就職を選ぶ。

もう一つ王からの頼み事をされる。アリストテレスとの出会いの場で促成の推進装置を作ったと噂を聞き「3,4歳の子供が喜びそうな玩具」を作って欲しいとのこと。

どのような玩具が良いか考え込むエウメネスはアッタロス家の噴水のからくりを作成した職人の元を尋ねる。
結局噴水を作った「ディアデス」には会えなかったが工房での作業は刺激になり大工道具も少し譲ってもらい収穫はあった様子。

 

第四十八話 王子・1

アッタロス家で玩具の制作をしているエウメネス。

エウリュディケが興味を示し王から頼まれた経緯を説明するが「王には3,4歳の息子などいない」という事実に怪訝そうなエウメネス。

実際に完成した玩具を王に献上しに行く途中、フィロータスやペルディッカスに会う。
彼らはミエザに進学するということでエウメネスが就職を選んだことに残念がる。
ともに大将軍の跡継ぎや実際に戦場に出ているものということで派閥のようなものが存在するピリピリした空気を感じる。

王と共にいたのは第三王妃フィリンナととても3,4歳にはみえない王子アリダイオス。
どうやら王子は発達障害を持っている様子が伺える。そのため、実年齢よりも低めの玩具を要望したのだ。

エウメネスが用意したのは手押し車に馬と御者がついたもの。
手押し車を押すと、馬が上下に動き御者の腕が左右に動くからくりだった。

この動きをえらく気に入り大喜びする王子。

その様子をみていた王妃と王も感激しエウメネスに甚く感謝する。

また工房を見学したエウメネスに「次は兵器部も見学できるようにしておく」と伝える王。
評価をあげた感がある。

王宮を後にするエウメネスは顔に蛇の痣がある青年と目が会う。
あきらかに重要人物であることをうかがわせう描写で5巻は幕を閉じる。

ヒストリエ5巻のキャラクター紹介

 

 

エウメネス(カルディア帰郷時)

エウメネス(フィリッポス王士官時)

引用:ヒストリエKindle版5巻より

本作の主人公。カルディア帰郷時に父母の墓参りや旧友への再会などやり残していたことを片付けることができた。
フィリッポス王に仕えることとなりマケドニアに移住し軍事書記官見習いとなった。

 

フィリッポス王(商人アンティゴノス)

引用:ヒストリエKindle版5巻より

破竹の勢いで領土を広げるマケドニア王フィリッポス王その人。
カルディア潜入時には商人を装っていた。エウメネスを勧誘し部下に迎え入れた。

 

メナンドロス

引用:ヒストリエKindle版5巻より

商人アンティゴノスの付き人のひとり。
アンティゴノスはフィリッポス王が潜入のために装いっていた身分なのでフィリッポス王直属の部下。
王直々の護衛といういことで剣の腕は凄まじい。達人といえるレベルのエウメネスを子供扱いできるレベル。

 

兄ヒエロニュモス

引用:ヒストリエKindle版5巻より

かつてエウメネスの兄として一緒に暮らしていた。
名家ヒエロニュモス家の正式な跡取りだったが、ヘカタイオスの策略により身分を落としヘカタイオスの庇護下で暮らしている。
エウメネスとは和解し同行も願ったが、彼に過酷な生き方は難しいと同行を断られた。

 

トルミデス

引用:ヒストリエKindle版5巻より

エウメネスの旧友。カルディアの衛兵となっている様子。
他の旧友は彼の口から現在の顛末のみ語られる。
オルビオス→故人(疫病)
ニコゲネス→オリンピア競技会カルディア代表候補
ペリアラ→商人と結婚

 

ヘカタイオス

引用:ヒストリエKindle版5巻より

エウメネスをカルディアから追い出した人物。
ヒエロニュモス氏を殺害しヒエロニュモス家を実質乗っ取った悪党。
青年となったエウメネスの顔をひと目みただけで確信するなど内心エウメネスを恐れている様子。

 

ゲラダス

引用:ヒストリエKindle版5巻より

ヘカタイオスとグルになりヒエロニュモス氏を殺害しエウメネスをカルディアから追い出した。
無視しようとしたエウメネスに斬りかかるが返り討ちにされ死亡。
過去を後悔するような様子もあるが良心の呵責かヘカタイオスからの扱いが悪いのかは不明。
頭髪の変化が過ぎた年月を物語る。

 

アッタロス

引用:ヒストリエKindle版5巻より

マケドニアでのエウメネスの居候先。
地位は高そうだが飲んだくれの印象が強い。
妻やその親族とは少し複雑な関係の様子。

 

エウリュディケ

引用:ヒストリエKindle版5巻より

アッタロスの姪。
頻繁にアッタロス家に顔をだす。好奇心旺盛で少しが雑な印象が見え隠れする。

 

フィロータス

引用:ヒストリエKindle版5巻より

アッタロスの嫁の弟で大将軍パルメニオンの息子。
青年ながら付き人をかかえ幹部候補生育成学校への入学が決まっているなど、次代のマケドニアの重要人物。

 

ベルディッカス

引用:ヒストリエKindle版5巻より

カルディア進行の際には軍の指揮官のひとりとして参加していた。
幹部候補生育成学校への入学が決まっている。
フィロータスとは派閥争いによる不和がある様子。

 

王子アリダイオス

引用:ヒストリエKindle版5巻より

フィリッポス王の跡継ぎの一人。
第三王妃の息子なので継承権は弱いと予測される。
発達障害なのか実年齢よりも幼さが残る。

 

蛇の痣がある青年

引用:ヒストリエKindle版5巻より

王宮でエウメネスと目だけがあった青年。
美形で顔に蛇型の痣がある。重要人物であることは間違いない。

 

■Kindle版ヒストリエ5

 

■コミック版ヒストリエ5巻
※上記Kindle版のリンク先からコミック版を選択できます。

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