ヒストリエ4巻のあらすじや感想・レビュー【長い回想の終わり】

 

ヒストリエ4巻の感想・名シーン ※以降ネタバレあり

ヒストリエ4巻では1巻から続いていた長い長い回想が終わりヒストリエ1巻の冒頭に時代が追いつきます。

 

回想が終わる前には辛い別れが待っています。
生みの親と育ての親を殺され奴隷に落とされ住み慣れた街を追放されたエウメネスが辿り着いたゴアの村。
住民とも馴染み恋をして安住の地になり得る場所でしたが、街を守るために自分一人を悪者にして街を出ることになります。

ゴアの村を守るために八方に喧嘩を売り自分ひとりにヘイトを集めようとするエウメネス。おそらくゴアの村人に恨まれることも構わないと厭わない姿勢です。

ですが、下記の村人の表情(手前は敵で後ろが住民)をみればわかるようにひとり泥をかぶったエウメネスの気持ちを汲み取ってくれています。


引用:ヒストリエKindle版4巻より

これでエウメネスが去ってしまうと理解したサテュラの悲痛な表情。


引用:ヒストリエKindle版4巻より

エウメネスと友との別れのシーンも地味ですが泣けます。※4巻で一番好きなシーンかもしれません。

引用:ヒストリエKindle版4巻より

 

辛い境遇に追い込まれることが多いエウメネスですが、実は人間関係として恵まれているのかもしれません。

去りゆくエウメネス。後ろ姿しか描かれませんがどんな表情をしているのでしょう…。


引用:ヒストリエKindle版4巻より

 

彼は英雄オデュッセウに憧れていますが、彼に関わった人達からすれば十分すぎる程英雄と見られていることでしょう。

 

また、4巻の見どころとして、ゴアの町とエウメネスの初陣もあります。
初めての戦だというのにひとつの私設軍に実質ひとりの知恵で勝利してしまう優秀さ。

今巻もたっぷり楽しませて貰いました。次巻からの展開に期待です。

ただ、最後の2話では描写が現代に戻り、アリストテレスを追う謎の美女「パルシネ」の話が差し込まれますが、正直わけがわかりませんでした(笑)
クジラ好きの怪しい電波系おじさんとのやりとりが続きますが、正直この話は必要だったのでしょうか。

今後、何かしらの伏線なのか、それとも史実に関連した遊び心なのか…。
はっきり描写されたわけではないですが、パルシネを人体標本としようとしているような演出に見えました。

怪しいクジラおじさん

引用:ヒストリエKindle版4巻より

気になりますがその内明かされると信じます(笑)

 

■Kindle版ヒストリエ4

 

■コミック版ヒストリエ4巻

 

ヒストリエ4巻のあらすじ

第三十話 パフラゴニアにて・7

ゴアの村を突如訪問したフィレタイロス家の長男「ダイマコス」は許嫁のサテュラをみながら「思ったより小さな村だ兵200もいらんだろう…だがこの娘は惜しいな」と物騒なことを思案している。

一報ティオスの街を訪れているエウメネス一行はゴアの村人を襲った族はフィレタイロス家ではないかというところまで突き止めていたが決め手にかけていた。
そこで、エウメネスが暫くティオスの街に潜り情報収集をすることに。エウメネスなら怪しまれずギリシア人に紛れ込めるといった判断からだ。

ティオスの街に潜り数日、フィレタイロス家の跡継ぎ「ダイマコス」が暴走しゴアの村の耕作地を狙っていることを突き止め村に戻ることに。
村に戻ると、エウメネスが突き止めた情報は既に村人の知るところに。フィレタイロス家の次男「テレマコス」がボアの村を訪問し兄の企みを洗いざらい話したのだ。
しかし、テレマコスには兄を止めるほどの胆力がなく「できれば村を無血解放して欲しい」とったものだった。

話をエウメネス。
詳しい説明と、降伏はしない」という村の判断も¥を聞き、潜入取材が徒労に終わったことに気が抜けるエウメネスだが、「ではテレマコスを人質に取れば優位に交渉できたのでは?」と腹黒さも見せる。

その夜サテュラとの密会。
子供の頃から決まっていたダイマコスとの婚約がなくなり混乱しているサテュラに対し、「サテュラの婚約が解消されたらどうなるのか」と繰り返し想像したことがあると話すエウメネス。
サテュラもまんざらではない様子。

戦になれば皆死んでしまうのではないかと心配するサテュラに対し「多分そういうことにはならない…俺達はしなない」と決意の表情を見せるエウメネスで三十話終わり。

 

 

第三十一話 パフラゴニアにて・8

夜ごとに密会を重ねるサテュラとエウメネス。
「もうすぐ死んでしまう」と悲観気味なサテュラに対し「俺たちは死なない。生き残る」と繰り返すエウメネス。

そして戦がはじまる。
ゴアの村は侵略者にそなえそれなりの防衛設備が整っていた。
そのため、門や柵をはさんで小さな小競り合いが置きた後は暫くのにらみ合いが続く。

特に策も持たずノラリクラリと防衛につく村人たちだが、エウメネスは状況を分析しながら作戦を考える。
そんな折、村長から村のひとつの秘密を知る。
村の裏手に広がる湖には特定の浅瀬があり歩いて渡れるというのだ。
「敵方の古株の中にもこの情報を知っているものがいるかもしれない。」と懸念する村長だが、この情報でエウメネスが作戦を考えつく。

集会所に集められた村人にエウメネスが作戦を共有する。

・現状攻め込んでこないのは敵方が村の物資も狙っているからであろう
・防衛の弱点(例えば火矢攻め)を疲れれば半日で村は攻め落とされるであろう
・裏手の湖には歩いて渡れる浅瀬がある

といった状況を整理し、「村人は誰も死なさずに敵の数を半分に減らす」と自信をもって言い放つ。

「多くの命が関わっているというのに生まれて初めての戦の高揚感を楽しんでいた」といった物騒な回想で幕閉じ。

 

第三十二話 パフラゴニアにて・9

村内に作戦の準備が整い、夜中に集結する村人。
エウメネスは村一番の剣の達人バトに自分の背中に切り傷を入れるように指示する。
流石の腕前で痛みを感じさせることもなく切り傷をいれるバト(身内を切ることに抵抗は見せる)

村人に「ダイマコス生け捕りにするように」と事付けし湖の浅瀬を渡り歩くエウメネス。
胸中には村人への感謝で溢れていた。
隣人、友、そしてサテュラとの思い出が繰り返される。

浅瀬を渡りきったエウメネスは憔悴した演技で敵陣に入り込む。

「不幸にも戦に巻き込まれ村に監禁されたギリシア人」を装い助けを求めたのだ。

上手く敵方を騙すことができたエウメネスは「湖に歩いて渡れる浅瀬がある」と刷り込み侵入経路を特製させることに成功する。

 

第三十三話 パフラゴニアにて・10

エウメネスの境遇を信じ、誘導された場所から攻め込むことを計画するダイマコス、
弟テレマコスが和解の道がないか説得するが聞く耳を持たない。
この際にテレマコスとエウメネスは顔を会わせてしまう。

場面が代わり深夜ダイマコス軍が予定どおり湖の浅瀬を渡り村に攻めいる。

主張は違ったとしても兄妹。兄の無事を祈るテレマコスと、サテュラの安否を祈るエウメネス。

戦が開始され、エウメネスの策に敵がまんまとハマるところで次回に続く。

 

第三十四話 パフラゴニアにて・11

数・装備と圧倒的にダイマコス軍が優位にみえるが、エウメネスが”敵方の重装備を逆手に取った策を”を村人に授けていた。

「長柵」、「長槍」、「弓」を上手く使い敵を近づけずに一方的に攻撃をするゴア陣営

ダイマコス軍がほぼ全滅したところで大将ダイマコスが”キレる”

「策を捨て正面から戦え」となんとも都合の良い理論を長々と展開し村人を卑下し煽るが、それが原因となりダイマコスは村人からリンチを受け死亡する。

「ダイマコスだけは生かしておいて欲しい」というエウメネスの進言は守らなかった。

静寂によって勝負がついたことを察したエウメネスは敵陣から悠々と離脱し三十四話終了。

 

 

第三十五話 パフラゴニアにて・12

村に凱旋したエウメネスは英雄さながらの歓声をうける。
中にはエウメネスが憧れる英雄「オデュッセウス」と比喩する者も。

計画では生け捕りするはずであったダイマコスが死亡してしまっていることを知るが、ダイマコスや側近の死体を清め棺に入れ敵方に引き渡すことで計画の狂いを修正。
これが功を奏し1ヶ月後「フィレタイロス家」より和睦の申し入れがある。
そもそもダイマコスの暴走から始まった戦であると、病に伏せている「フィレタイロス」と次男「テレマコス」が謝罪に現れたのだ。

今後もティオス市とボアの村の絆を深めて行きたいと約束するフィレタイロス。
その証とし破断になったダイマコスとサテュラとの縁談をテレマコスとサテュラとの縁談として組み直したいと提案される。

村人は「良い縁談だ」と喜ぶがサテュラはエウメネスに好意をよせており、これに拒否感を示す。
その際エウメネスに寄り添ってしまうが、それが原因で村人にまぎれていたエウメネスがテレマコスに見つかってしまう。

エウメネスが敵陣に紛れ込むにテレマコスには顔を見られてしまっていた。
ダイマコスは村人の策にはめられ殺されたという事実にテレマコスが気づいてしまう。
これでゴアの村が”被害者”という立場ではなくなってしまうのだ。

村に対し憤怒とも呆れともとれる複雑な感情を吐露するテレマコスに対し決意の表情を見せるエウメネスが口を開く。

 

第三十六話 オデュッセウス

テレマコスに淡々とした口調で話し始めるエウメネス。

事実と嘘を織り交ぜ巧みに話を運ぶ。

自分は元々村の住民ではなくスキタイ人であること、村に恩義があるから今回手を貸したこと、村人が善人だらけなので自分がすべて指示をだしたこと。
村人のことを「トロい」「ボンクラ」と罵り、村人が善人でなければもっと残虐な手も使えた。とすべてのヘイトを自分だけで引き受けるエウメネス。

その夜、出発の身支度をするエウメネス。サテュラは「私も連れて行って」と説くが、その場合再度戦になる可能性が高い。
「多くの人々の人生を踏み台にして2人だけの幸せをつかむのは1つの生き方かもしれないが、俺やきみにはムリだろう」と語る。

翌日村をでるエウメネスはサテュラや友人、村人に手厚く見送られながら旅へでる。
その背中はさながらヘロドトスに出てくる英雄「オデュッセウス」ようであった。

そして長い回想は終わり物語はヒストリエ1巻の冒頭へと続いていく。

 

第三十七話 レスボス島 – 生物研究所・1

紀元前343年(ヒストリエ1巻冒頭と同年)「アリストテレス」を追う「パルシネ」の目線で話が進む。

アリストテレスが寄った可能性がある生物研究所に向かう一行。
研究所につくと護衛を待機させ1人で研究所に向かうパルシネ。

研究所につくと1人の男に出迎えられる。
男の風貌から目的の人物ではないことを悟る。

何故か手厚く所内に通されると、中には様々な生物の骨格標本が並んでいた。
そして男から「で…くじらの何がおしりになりたいと?」と想定外の質問が飛ぶ。

「アリストテレス先生は?」と尋ねるパルシネだが、お互い噛み合っていない様子で三十七話が終わる

 

第三十八話レスボス島 – 生物研究所・2

一方的にくじらのうんちくを語り続ける男。

客間に通されると、生物のホルマリン漬けのような瓶が並ぶ。
内容物よりもこの時代に珍しい「ガラス(透明な容器)」に感心するパルシネ。

飲み物が出されると男は意味不明な内容を話し続ける。
・神が貴女をお遣わしになった
・私は時の波動のようなものが見える
・貴女はその波頭にたっている
といった電波な内容。

「家を間違えた」と落胆するパルシネに対し男が「アリストテレス先生はこの島にいらしゃってません」と必要な情報を口にした為パルシネはすぐに家を後にした。

パルシネが部屋を去った後、パルシネに出した飲み物を捨てる男。(毒が入っていたかのような描写)

陸路を使っていたと断定しアリストテレスの足跡を見つけたパルシネ。
ここでヒストリエ1巻1話のエウメネスとパルシネの邂逅につながる。

エウメネスとアリストテレスを既のところで取り逃がしたパルシネとその夫メムオン。
次に海峡を渡ってくるのは”あの男”と意味深な言葉を残し4巻の幕を下ろす。

ヒストリエ4巻のキャラクター紹介

 

 

エウメネス

引用:ヒストリエKindle版4巻より

本作の主人公。今巻では初戦を経験するが圧倒的な武力差を覆し、無傷でボアの村の勝利に導いた。
その代償として村を去ることになる。

 

サテュラ

引用:ヒストリエKindle版4巻より

エウメネスの思い人であり両思い。村の和平の為に策略婚させらっる。
全てを捨てて逃げることも考えるがエウメネスの説得もあり村に残り結婚を選ぶ。

 

バト

引用:ヒストリエKindle版4巻より

村一番の剣士、策略の為エウメネスに刀傷をつけるが痛みを感じさせずに薄皮一枚を切る腕前を見せる。
強いだけでなく良い人。本当に良い人。

 

ダイマコス

引用:ヒストリエKindle版4巻より

ティオス市の名家「フィレタイロス家」の長男であり跡継ぎ。
元サテュラの婚約者だがボアの村を支配しようと暴走しエウメネスの策にはなり何もすることなく命を落とす。
勇者を自称してしまう痛い人。

 

テレマコス

引用:ヒストリエKindle版4巻より

ティオス市の名家「フィレタイロス家」の次男。ダイマコスが命を落としたことで跡継ぎとなり、サテュラとの婚約も結び直した。
兄とは違い人格者のようだが身内びいきの面も見せる。

 

フィレタイロス

引用:ヒストリエKindle版4巻より

フィレタイロスの当主。病に伏せていた為、跡継ぎの暴走に気付かなかった。
素直に息子の非を認める人格者。
この人の体調がまとならエウメネスの人生が変わっていた可能性あり。

 

パレシネ

引用:ヒストリエKindle版4巻より

ペルシア帝国将軍の妻でアリストテレスを追う。4巻の表紙にもなっている後の重要人物(と思われる)

 

クジラ好きの男

引用:ヒストリエKindle版4巻より

名も明かされず今後登場するかもわからないが大きなインパクトを残した男。
クジラの話と電波な発言しかしていない。

 

 

■Kindle版ヒストリエ4

 

■コミック版ヒストリエ4巻

【関連ページ】

コメントを残す