ヴィンランド・サガ1巻のあらすじや感想・レビュー【荒々しいヴァイキングの生き様】

 

ヴィンランド・サガ1巻の感想・名シーン※以降ネタバレあり

幸村誠(ゆきむらまこと)さんは前作プラネテスからのファンですが、今回はプラネテスと比べ随分作風が異なります。
宇宙のゴミ拾い屋と北欧のヴァイキングの話は真逆と言っても良いのではないでしょうか。

今作の特色として主人公がよく動きます。
主人公に限らず荒々しいヴァインギングにスポットをあてた物語なので、アクションシーンが盛り沢山です。

幸村さんがこんなにアクションシーンを書くのが上手いとは良い意味で裏切られました。

まだ1巻ということで物語の核心に触れるような展開には至っていないですが、主人公のトルフィンは復讐に取り憑かれヴァイキング団の頭領のアシェラッドを討とうとしています。
前半の荒々しい戦闘から後半の主人公トルフィンの少年時代の階層へと移り変わり、トルフィンがどの様に復讐に取り憑かれるようになってしまうのか先の展開が気になる展開になっています。

 

トルフィンのアクションシーン一部

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

 

その他のアクションシーン一部

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

 

絵からスピード感を感じるほどです。
アクション描写だけではなく表情だけで各キャラの細かな深い感情が読み取れるような素晴らしい画力を持った漫画家さんだと思います。

ヴァイキングの荒々しさがしっかりと描かれていて、海賊らしい海賊漫画とも言えます。

そして、前半のアクションから打って変わって後半はトルフィンの子供時代の回想にはいりますが、過酷な環境ながら幸せに育っていたトルフィンが何故、復讐鬼になってしまうのか今後の展開が気になります。

・少年時代から現在のトルフィン比較

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

1巻でのつかみとしてはバッチリではないでしょうか。

■Kindle版ヴィンランド・サガ1巻

■コミック版ヴィンランド・サガ1巻

ヴィンランド・サガ1巻のあらすじ

第一話 北人(ノルマンニ)

11世紀のフランク王国領から話はスタートする。

同族の小競り合い。城門を攻略する側と防衛する側で激しい争いが繰り広げられており、一旦は防衛側の勝利で終わる。
季節は冬に差し掛かって雪がふりはじめるまで防衛しきれば防衛側の勝利が確定する。

その小競り合いを高台から眺める一団。「攻め手の攻め方が悪い」と大局が見えていることが伺える。

頭領と思われる男は「アシェラッド」と呼ばれている。アシェラッドの指示で攻め手に手を貸すことに決まった。
交渉役として「トルフィン」という青年が呼び出される。彼がこの物語の主人公。
彼は交渉成立した場合の褒美を要求するが、カブト首(大将首)をとれば報酬を与えると約束するアシェラッド。

勝利した際の報酬が”整理品の半分”という法外な要求で交渉は難航したが、断った場合防衛側につくという脅しの効果もあり交渉は成立した。
が、防衛側の頭領の腹の内では勝利したところで報酬を踏み倒す。と考えていた。

翌日、昨日同様の攻防戦が繰り広げられる中。トルフィンは単独で大将首を狙う。
同時に、森から船を担いで出てきたアシェラッド一覧。

防衛側は陸側からの対応しかしていなかったので川側から攻めると挟撃できることにもなるので、攻略が用意に行える。
更には、単独で突っ込んだトルフィンが大将首を仕留め混乱した防衛側は強者揃いのアシェラッド軍にあっさり敗北する。

遅れてようやく扉を破り砦に侵入した攻め手側だったが、アシェラッド軍に全て財宝を奪われた後であった。
アシェラッド軍が提示した「整理品の半分」とは、財宝はアシェラッド軍、砦は攻めて側、という一方的な配分で財宝を持っていったしまったのだ。

そして、見事大将首を仕留めたトルフィンは頭領に報酬の”決闘”を申し込む。
アシェラッドはトルフィンの父の仇で、仇を討つ目的でアシェラッドの元で働いていたのだ。

西暦700年代の終期から約200年もの間、竜頭の船をあやつる民族が北ヨーロッパに存在した、西欧諸国ロシア、北アフリカ、ギリシア、トルコ、中東に至るまで、彼らはあらゆる地に現れ、戦い・略奪し去っていった。フランク(北フランス)語で「北の民(ノルマンニ)」、イギリスでは「デーン人」、ビザンツ帝国では「ルス」「ロス」、後の世にヴァイキングと呼ばれる者達である

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

のナレーションで1話の締め。

 

第二話 ここでないどこか

戦の整理品をもってデンマークの田舎領に船をよせるアシェラッド兵団。

馴染みのこの土地で春を迎えることとなるが、野蛮なヴァイキングに男女ともに羨望の眼差しを送るところからデーン人の性質が伺える。

先日の戦で「仇討ちの決闘」を報酬としてもらったトルフィンは兵団頭領のアシェラッドと1対1の決闘を行うことに。

圧倒的なスピードでアシェラッドを追い込んでいるようにも見えたトルフィンだが、実際にはアシェラッドにうまい具合にあしらわれていた。
そして、トルフィンの父トールズの死に様(トルフィンを人質にとられ剣を捨てた)を愚弄されたことで考えなしに突っ込み腕を外され無血敗北してしまう。

その夜、宴会を行っているアシェラッド兵団だが、決闘に負けたトルフィンは宴会には加わらず極寒の中、元々父の所有物だった船で見張りをしながら眠ってしまっていた。
夢の中(?)は父が子供をあやすように復讐にとりつかれたトルフィンを諌める言葉を探す。

目を覚ましたトルフィンは夕飯を運んできた奴隷と雑談を交わす。
奴隷から見ると、トルフィンも奴隷(何かに囚われてる)のように見えると指摘されるが、トルフィンは「もしおれがお前の立場なら主人も追っても全員殺して逃げる」と否定する。
トルフィンの言葉に逃げびた先、”ここではないどこか”に戦も奴隷商人もいない平和な世界があるのか。とつぶやく奴隷。

奴隷の言葉に10年前子供のころに聞いた「果物が実り、草原波打つ新天地ヴィンランド」の話を思い返すトルフィン。

次話から少年時代編がはじまる。

 

第三話 海の果ての果て

この回からトルフィンの少年時代に時代が転換します。

史実でも語り継がれる「幸運者レイフ・エリクソン」から新天地ヴィンランドを発見した冒険譚を地元アイスランドの少年たちと一緒に目を輝かせながら聞いている少年時代のトルフィン。
話の内容から発見した新大陸はアメリカ大陸であることが推測できる。

子どもたちへのサービスが終わった後、帰宅してきたトルフィンの父「トールズ」とレイフの意見交換が行われていた。
ここアイスランドやレイフの地元グリーンランドの気候状況が年々悪くなっており、このままでは凍害が広がるのではないかと懸念しレイフは大掛かりな移住計画を立てていると報告。

場面はかわり雪が止み雪下ろしをしている父トールズと姉ユルヴァだが、雪に埋もれている瀕死の男性を発見する。
同時刻トルフィンはレイフから航海の恐ろしさや自分たちの先祖がノルウェーでの圧政から逃げてきたルーツなどを聞くが幼いトルフィンは「自分の先祖が逃げたりするものか」受け入れることができない。

トルフィンが自宅に帰ると、トールズが雪に埋もれていた男性の蘇生処置をおこなっている場面に遭遇する。

必死の処置もあり息を吹き返した男性は山向こうのハーフダンの屋敷から逃げてきた奴隷だということが判明する。

「どこにも行くあてなんかない」という男性奴隷に複雑な表情を見せるトールズ。
そこに、奴隷を追ってきたであろうハーフダンの船が港にきたとトールズに連絡が届いたところで三話終了。

 

第四話 解かれ得ぬ鎖

逃げ出した奴隷を追って30名以上の兵を連れて村に来たハーフダンは港で村の面々と小競り合いをしている。
今回の奴隷の件と別件で以前より牧草地の境界線などで揉めていた事情もあるという。

辛抱できずに争いを初めてしまうハーフダンの部下と村の若者だが、ハーフダンは手に持った鎖を使い自分の部下を血祭りにあげる。
「鎖は人間に似合う唯一の首飾り、法は鎖」という持論をもつハーフダンの逆鱗に触れてしまった様子。

一方トールズは生きる希望を見いだせない奴隷に必死に呼びかけるが、幻覚をみている奴隷は長くはないことが見て取れる。
そんな奴隷にトールズは語る。

はるか西…海の向こうにヴィンランドという名の土地がある。
そこは暖かく豊かで…奴隷商人も戦の炎も届かぬ遠い地だ
そこなら誰も追ってはこれん
どうだいいつか…
オレ達と一緒にその地で暮らさないか

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

奴隷を勇気づけるための夢物語かもしれないが、奴隷は幻覚の中ヴィンランドにたどり着いていた。

そこにハーフダンが家に乗り込んでくる。
奴隷の所有系を主張するハーフダンに対し、父トールズは手持ちの羊で購入すると持ちかける。
元々は2頭の羊で購入された奴隷だが、ハーフダンの8頭の羊でなら譲るという無茶な要求にも即答するトールズ。
トールズの決断に不快感を示しながらも良い取引だと引き上げるハーフダン。「鎖を解いて、そいつをどこに連れて行く」と世の不条理をついた捨て台詞を残す。

場面がかわり息を引き取った奴隷を埋葬するトールズ。
買ったばかりの奴隷が死に大損をしてしまったと落ち込む姉と一連のやりとりを見ていて何かを感じ取ったトルフィン。
「自分たちの先祖はアイスランドに逃げてきた。じゃぁここから逃げたい人はどこにいくの?」というトルフィンの問に沈黙しかできないトールズで幕。

 

第五話 戦鬼

冒頭。イングランドでのヴァイキング同士の戦の描写の後、場面はかわりアイスランドで「戦ごっこ」をしているトルフィンと子どもたちの描写。

ごっこ遊びでも早々にやられてしまうトルフィン。
この時代のノルドの男子達は大人子供問わず、戦で死ねば天国から迎えがきてヴァルハラ(戦士の館)に行くことができると信じているので、戦死は埃だと考えられていた。

港では幸運者レイフが旅立ちの準備をしていると遠くから軍船が近づくのが見える。
鍛冶仕事をしているトールズに軍船襲来の知らせが届く。

軍船の集団は「戦鬼(トロル)トールズ」を出せと要求しているという。
港に到着したトールズは武装した軍団に「トールズはここだ」と名乗りをあげると、一斉に礼をとる軍団。
トールズは首領らしき男を「フローキ」と呼び、馴染みであることが伺える。

場所を変え、トールズとフローキが対談をしている。
トルフィンをはじめ、町の若者が聞き見を立てる中、「船団はヨーム戦士団」、「トールズはヨーム戦士団の大隊長であり脱走兵」、「来るべき大戦のためにトールズの参戦も促しに来た」ということが判明。

この先大きな波風が立つことが確実な引きで1巻の幕を閉じる。

ヴィンランド・サガ1巻のキャラクター紹介

トルフィン

トルフィン(幼少期)

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

本編の主人。1巻前半では復讐の為に生きる戦士(ヴァイキング)となっている。敵の大将首をとる描写もあり卓越したスピードや身のこなしでかなり腕は立つ模様。
後半では幼少期が語られる。この際は特に特長のない活発な子供。

 

アシェラッド

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

トルフィンの父の仇。
とあるヴァイキング団の頭領だがかなりの頭のキレと大将首をとるほどの腕前のトルフィンを子供扱いするほどの強者。

 

 

砦攻め攻撃側の頭領

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

部下に閣下と呼ばせている。おおよそ人間とは思えない姿かたちを持つ。

 

トールズ

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

1巻後半のトルフィンの幼少時代で登場。トルフィンの父。大らかで村の住人から信頼されている大物感を醸し出す。
巻末で元ヴァイキングの大将をつとめていた事が発覚。アシェラッドに殺されてしまうらしいが1巻にその描写はない。

 

レイフ

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

1巻後半のトルフィンの幼少時代で登場。幸運者と呼ばれる実際のモデルをもつ人物。
アメリカ大陸(ヴィンランド)を発見した人とも言われている。

 

ユルヴァ

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

1巻後半のトルフィンの幼少時代で登場。トルフィンの姉。活発で今時の娘という表現がぴったりだが、体が弱い母の代わりによく働く良い娘。

 

ヘルガ

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

1巻後半のトルフィンの幼少時代で登場。トルフィンの母。1巻では目立った活躍なし。

 

ハーフダン

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

1巻後半のトルフィンの幼少時代で登場。奴隷や部下を大勢もつ有力者。鎖を武器とする変わった攻撃をする。

 

フローキ

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

1巻後半のトルフィンの幼少時代で登場。トールズの過去の同僚。ヨーム戦士団の大将のひとり。

 

名もなき奴隷

引用:ヴィンランド・サガKindle版1巻より

1巻後半のトルフィンの幼少時代で登場。ハーフダンの元より逃げ延びてきた。彼を助けるためにトールズは羊8頭をハーフダンに差し出すが亡くなってしまう。

 

 

 

■Kindle版ヴィンランド・サガ1巻

■コミック版ヴィンランド・サガ1巻

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